ドライブベルトのお話

 

ドライブベルトの役割はエンジン回転運動を駆動に伝達する役割を持っており、またベルト自身が変速機の一部を補っています。エンジンの回転はランププレート(プーリーのお話にリンクする)と通じてプーリーに伝わり、プーリの左右運動によりドライブベルトが駆動を伝達します。ベルトには①心線幅②角度③長さが駆動に関わり、ベルト構造の殆どの部分が6層からなる複雑な構造で出来ているため、

 

各メーカー製造方法においてノウハウが必要な部品となります。 ベルトには色々な種類が存在しスクーターのドライブベルトはローエッジコグドベルトとう種類に当たります。

 

 

これはベルトに下部分をコグ(コブ状)にすることで屈曲性の性能を上げるためで、屈曲性を上げるだめ様々なデザインを採用しています。最近ではダブルコグドベルトが採用される車種もあり上部、下部共にコグが付いているもので、強度を上げるためベルトを太くした結果シングルのコグですと屈曲性が足りないためダブルにした結果生まれました。

 

•  心線幅

ドライブベルトには様々な素材で作られた心線が入っています。この心線の太さや本数、素材により強度が変わります。またこの心線の位置付近が駆動を伝える部分になることからドライブベルトの一番重要な部分とも言えます。心線の幅は密接に加速に繋がっており、ドライブベルトが磨耗し消耗してくるとこの幅が徐々に狭くなってきます。狭くなると加速が出来なくなりスピードが落ちます。またドライブベルトを構成する殆どの素材がゴムであることから、磨耗、ひび割れ、剥がれなどが起きますのでメンテナンスが必要となります。

 

•  角度

ドライブベルトには角度が付いており、この角度はプーリーの角度(プーリの話にリンク)に比例しています。角度の異なるプーリに使用すると心線に動力が伝わりにくくなりまた破損の原因になったりします。

 

•  長さ

ドライブベルトの長さはプーリーの中心とトルクカムの中心からなる軸間距離から設定されます。ドライブベルトが長くなると加速が伸びることもあり、アフターマーケット市場では長さの長いベルトが販売されていますがそれもこの軸間距離が基本となり設計されています。ですが長くしすぎると最大加速時にプーリーの外径以上ベルトがはみ出てしまい駆動の範囲を超えてしまいます。

 

 

このようにスクーターの変速機は大きく分けると①プーリー(写真向かって左)、②ドライブベルト(写真中央)、③トルクカム(写真向かって右)④クラッチ⑤ファイナルギアの5つからなり、全てがそれぞれの仕事をすることで変速を実現しています。